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暑いのは昼間だけじゃない
朝晩も熱中症リスクマネージメントが不可欠

朝晩ならではの対策と注意点

熱中症コラム

日が暮れたら涼しくなる夏は、今は昔。 もはや暑いのは昼間だけの時代ではなくなりました。 朝も夜も明け方でさえも暑く、時間を問わず、熱中症への警戒が必要な状況です。

東京都のデータによれば、およそ4人に1人にあたる23.6%の人が午後6時から午前9時の間、つまり夜から朝にかけての時間帯に熱中症の疑いで救急搬送されています。

出典:東京消防庁資料 (2022年6月~9月)(外部サイト)

朝晩の熱中症の原因は?

昼間は高温多湿の猛暑が熱中症の主な原因となりますが、朝晩は昼間とはまた違った理由で熱中症のリスクが高まります。 たとえば、朝晩は昼間に比べれば気温は下がりますが、昼間の暑さによって建物の天井や壁が暖められています。その放射熱で建物の室温が下がりにくく、夜になっても暑い環境が続いてしまうわけです。 他にも、寝ている時は脱水症状が起きやすく、睡眠時はめまいや頭痛といった熱中症の初期症状に気付きにくいというのもリスクに繋がります。

朝晩の熱中症リスクマネージメントとは

熱中症のリスクを少しでも下げるために、対策は四六時中する必要があります。 昼間の対策に加え、朝晩だからこそしておきたいことも。

1. エアコンは終日運転 寝ている間つけっぱなしに

近年、昼間の猛暑だけでなく、夜通し気温が25℃を下回らない熱帯夜の日数も増えています。 連日の熱帯夜は睡眠に影響を及ぼし、それによって熱中症などの体調不良を引き起こします。 電気代が心配になるかもしれませんが、寝る時も冷房は止めず、朝までつけっぱなしにしておいてください。 つけたり消したりを繰り返すよりもつけっぱなしの方が実は電気代はセーブできるので、エアコンには徹夜で働いてもらいましょう。

2. 寝る前のコップ一杯+枕元にペットボトル一本

睡眠中も熱中症対策は休まず行なってください。 睡眠中は暑くない日でも汗や呼吸などによって500mL程度水分を失うといわれていますから、熱帯夜の日はもっと多くの水分が奪われています。 寝る前にコップ一杯の水を飲み、枕元にはペットボトルの水を準備して、目が覚めたらすぐに水分補給できる環境を整えておきましょう。

3. 寝酒やコーヒーは控えて

いくら水分補給が大事だといっても、飲むものには気をつける必要があります。せっかく摂取した水分が排出されてしまうドリンクは避けなければなりません。 例えば、お酒やカフェインが含まれているコーヒーや紅茶などがそれに当たります。 アルコールやコーヒーなどは利尿作用により尿として排出されてしまうため、せっかく摂取した水分が無駄になってしまうからです。

4. 台所は要注意 夕食の献立は火を使わない工夫を

自宅で熱中症を発症する人が多いですが、台所は危険な場所の一つです。 台所は炒め物や揚げ物など火を使うことで高温環境になりやすく、長時間立ったままでの作業になると、身体への負担も大きくなります。 暑い時期の献立はなるべく火を使わず、冷菜や電子レンジ調理できるものを選びましょう。

多胡 安那(株式会社ウェザーマップ)
多胡 安那株式会社ウェザーマップ
気象予報士・熱中症予防管理者(指導員)

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