季節を表す「二十四節気」
二十四節気は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。立春、春分、夏至など、季節の移り変わりを表す言葉として用いられています。
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二十四節気 - 6月21日ごろ
二十四節気の「夏至(げし)」は、北半球では一年で最も昼の時間が長い日です。東京では、昼の時間が最も短い冬至(とうじ)と比べて約5時間長くなります。
◇気候の特徴
夏至の時期には、植物や動物の活動が活発になります。田んぼでは稲が成長し、緑が一層濃くなります。庭や公園では紫陽花(あじさい)が見頃を迎え、その美しい色合いが雨の季節を彩ります。
また、夏至を含む旧暦5月(現在の6月ごろ)は梅雨の期間中にあるため、雨の日が多くなります。このため、「5月」と「雨」にゆかりのある言葉が生まれました。
五月雨(さみだれ):
現代では6月ごろに降る雨を指します。「五月雨式に」という表現は、梅雨時期の雨のように物事がだらだらと続く様子を表しています。
五月晴れ(さつきばれ):
現代では5月の晴れを指す言葉として使われますが、もともとは旧暦5月の梅雨時期の晴れ間を指す表現でした。「梅雨晴間(つゆはれま)」と同じ意味です。
◇季節のイベント
夏至から数えて11日目(7月2日ごろ)は「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれます。この名称は、カラスビシャクという薬草(漢方で「半夏」と呼ばれる)が生える時期に由来しています。この植物は湿地や水田周辺に生育するため、農業と深い関係があるとされています。
半夏生を過ぎると梅雨が終わり、本格的な夏が始まると考えられてきました。そのため、半夏生は農作業の節目として、田植えを終える目安の日とされ、地域によっては祭りや行事が行われることもあります。
さらに、関西地方では、半夏生にタコを食べる習慣があります。これは、「タコの足のように稲がしっかりと根を張るように」という願いが込められていると言われています。
◇旬の食べ物
夏至の頃には、さまざまな食材が旬を迎えます。トマトやキュウリなどの夏野菜は、みずみずしく美味しさを増すため、サラダや冷製スープにぴったりです。そして、夏の果物のスイカは、暑い夏の日の水分補給としてもおすすめです。
また、ウナギもこの時期によく食べられ、スタミナをつけるための代表的な食材とされています。特に、土用の丑の日に食べる習慣があり、暑い夏を乗り切るためのエネルギー源とされています。
夏至を過ぎると、いよいよ夏の盛りがやってきて、気温が一段と上昇します。本格的な夏の暑さに備え、適度な運動や入浴などで今から少しずつ体を暑さに慣らしておくことが大切です。
お出かけの際は、日焼け対策や熱中症対策をしっかり行い、水分補給も忘れずにお過ごしください。
二十四節気は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。立春、春分、夏至など、季節の移り変わりを表す言葉として用いられています。