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芒種 ぼうしゅ

二十四節気 - 6月6日ごろ

二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」はあまり見慣れない漢字が使われています。この「芒」は「のぎ」と読み、米や麦などの穂先にあるトゲ状の突起を表します。「芒種」とは「稲などの(芒のある)穀物を植える」頃という意味になります。

◇気候と注意点
芒種は夏至の直前の節気で、多くの地域がこの時期に梅雨入りします。これから台風シーズンの終わる10月ごろまでがいわゆる「出水期」にあたり、豪雨や台風による被害が集中する時期となります。

非常持ち出し袋

万が一に備えて、非常持ち出し袋の中身を確認する、近くの避難場所までの経路の実際に歩いて確認する、家の周囲や屋根に補修の必要がないか点検する、といった対策を早めにやっておきましょう。

◇自然との関わり
芒種の頃に咲く代表的な花と言えば、紫陽花(あじさい)です。「紫陽花」というと文字どおり紫色の花をイメージしますが、よく観察してみると、実際には花によってピンク色から青色まで、微妙に色味が異なることに気がつきます。

紫陽花

この発色の違いは品種によるだけでなく、さまざまな環境条件によっても色が変化するそうです。その条件のひとつに、土壌の酸性度(pH)があります。土壌が酸性だと青、アルカリ性だと赤っぽくなるんだとか。小学校で習う「リトマス試験紙」は酸性だと赤、アルカリ性だと青になるので、紫陽花はその逆と言えます。紫陽花を観察することで、土壌の性質を知る手がかりにもなりそうですね。

◇ ◇ ◇

また、芒種はホタルが成虫になって飛び立つ頃でもあります。ホタルの光を見て楽しむことを「ホタル狩り」などと言いますが、最近では街なかで見かけることは少なくなりました。複数の自治体などがホタルが棲める環境を目指して、川をきれいにしたり、土を掘った水路を整備したりといった取り組みを行っています。何年か先には、夏の風物詩としてホタルを身近で見られるようになるかもしれませんね。

葉の上で光るホタル

日本のホタルの代表とも言えるゲンジボタルが飛びながら発光するパターンは、東西で違いがあり、西日本では約2秒間隔、東日本では約4秒間隔で点滅するのだとか。また、飛びながら発光するのはほとんどオスで、メスは葉っぱなどにとまったまま光って、オスが飛んでくるのを待ち構えるのだそうです。もしホタル狩りをするチャンスがあったら、光っているのがどんなホタルなのか、ぜひ観察してみてください。

◇旬の食べ物
6月ごろに旬を迎える果物といえば、なんといってもサクランボです。サクランボの最盛期は6月から7月にかけての1カ月あまりと短く、さらに収穫後に置いておくとどんどん味が落ちてしまうため、すぐに店頭から姿を消してしまいます。もし果スーパーなどで見かけたら、逃さずに買って旬の味を楽しんだほうがよさそうです。

黄色いサクランボ

国内で一番多く生産されている品種は「佐藤錦」で、サクランボの代名詞のようになっていますが、ほかにもさまざまな品種があります。変わったところでは、「月山錦(がっさんにしき)」と呼ばれる品種は熟しても赤くならず、黄色いまま食べ頃になるのだとか。生産量が少なく幻のサクランボとも呼ばれているそうなので、お店で買うことができたらラッキーかもしれません。

これから雨が降ることが多くなり、外出が面倒になる時季ですが、この時期はさまざまな植物が花や実をつける、にぎやかな季節でもあります。休みの日に晴れ間があれば、外出して自然を楽しんでみませんか。

  

季節を表す「二十四節気」

二十四節気は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものです。立春、春分、夏至など、季節の移り変わりを表す言葉として用いられています。

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