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「梅雨入り」と「入梅」の違いとは?

歳時記 - 6月10日ごろ

日本において、6月から7月にかけて、特に雨が多くなる時季を「梅雨(つゆ、ばいう)」と呼びます。気象庁では梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」と定義しています。
「梅雨」に「梅」の字が入っているのは、この時季が梅の実が熟すころと重なるためなんだとか。収穫した梅の実で梅干しや梅酒を作り始めるのも、この時季ですね。

ところで、梅雨に関連する言葉に「梅雨入り」と「入梅」があります。どちらも「梅雨に入る」ことを表しますが、どう違うのか、ご存じですか?

梅雨入りとは
「梅雨入り」とは、一年のうちで梅雨の期間が始まることを指します。その年の気象の状況や予測に基づいて、気象庁が地域ごとに梅雨に入ったことを宣言します。この「梅雨入り宣言」が発表される日は、その年の天候によって日付が大きく前後します。たとえば、関東地方では2007年の梅雨入りは6月22日ごろ、2011年は5月27日ごろでした。年によって1カ月近くも差ができることがあるのですね。

入梅とは
一方で、「入梅」という言葉もあります。「梅雨に入る」という意味ではありますが、カレンダーに書かれている「入梅」は、気象庁が発表する梅雨入りとは直接の関係はありません。入梅の日付は太陽と地球の位置関係から計算され、国立天文台が翌年の「暦要項」の中で発表します。このため、入梅は毎年ほぼ同じ時期(6月10日~11日)にあたり、地域差はありません。

もちろん、入梅の日にたまたまどこかの地域で梅雨入りする可能性はあります。たとえば、2020年の入梅の日(6月10日)に、中国・四国・近畿・東海地方で梅雨入りしました。それ自体は偶然ですが、入梅と梅雨入りはだいたい同じころということですね。

以下に、梅雨入りと入梅の違いをまとめてみましたので、参考にしてください。

梅雨入り入梅
日付は天候によって毎年異なる日付はほぼ固定(6月10日~11日)
日付は地域ごとに異なる日付に地域差はない
梅雨入りした後で気象庁が発表する前年に国立天文台が発表する

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