雨雲レーダーの仕組み – 表示がなくなる理由

全国20カ所に配置、気象レーダーの仕組み

雨や雪の強さや分布を表示する「雨雲レーダー」では、気象庁が全国に設置した気象レーダーのデータを利用しています。気象庁のレーダーは全国20カ所に配置され、国土のほぼ全域をカバーしています。観測結果は、リアルタイムの情報として活用されるだけでなく、天気予報にも利用されています。

気象庁のレーダー配置図(令和4年1月現在)釧路、札幌、函館、秋田、仙台、東京、新潟、長野、静岡、福井、名古屋、大阪、松江、広島、室戸岬、福岡、種子島、名瀬、沖縄、石垣島
気象庁のレーダー配置図を参考に作成(気象庁サイト)

レーダーの点検や故障時は? 表示されないことも

気象レーダーは、電波を発射した後、雨や雪の粒にぶつかって戻ってきた反射波(エコー)を受信するという仕組みなので、山などの障害物の影響を受けることがあります。また、気象条件によっては、実際には降水がない場所でエコーが観測されたり、実際の降水よりも強い降水を示すエコーが観測されたりすることもあります。

点検や故障などにより一部の気象レーダーが運用を休止することもあります。その場合、周辺地域の「雨雲レーダー」が表示されなかったり、弱めに表示されたりすることがあります。

電波の伝搬経路上に山岳がある時は山岳の向こう側を観測できない。地表は球面なので気象レーダーからの距離が遠くなるにつれて低い高度の降水粒子を観測できなくなる。
気象レーダーを利用する際の注意事項を参考に作成(気象庁サイト)

気象庁は、このような異常なデータの判別による精度の向上に取り組んでいますが、完全に取り除くことはできないため利用時には注意が必要です。ヤフーでは、気象レーダーが点検や故障で停止している際、Yahoo! JAPANアプリやYahoo!天気アプリに気象レーダー休止のお知らせを掲出するなどの対応をとっています。

気象庁レーダー運用情報

過去3時間内の気象レーダーの運用状況は、気象庁ホームページのレーダー運用情報のページからご確認ください。

よくある質問

Q. 台風が日本列島に近づいているのに雨雲がレーダーに表示されないのはなぜ?
A. 雨雲レーダーでは気象庁と国土交通省が運用する気象レーダーのカバー範囲内で雨雲が表示されます。そのため、台風の位置が小笠原諸島付近など、気象レーダーのカバー範囲の外である場合には、台風の雨雲は雨雲レーダーに表示されません。
Q. 表示されていた雨雲が突然消えたように見えるのはなぜ?
A. 気象レーダーのカバー範囲内から範囲外に雨雲が移動した場合はレーダーに映らず突然消えたように見えることがあります。
Q. 雨が降っているのに雨雲レーダーに映っていないことがあるのはなぜ?
A. 気象レーダーは一定の高度から上の雨雲を検知できますが、観測範囲よりも低い高度で雨雲が発生して雨が降っている場合、正確に検知できないことがあります。
また、気象レーダーが故障や点検などで休止している場合は検知できませんので、雨雲レーダーに雨雲が表示されなかったり、気象条件によっては実際よりも弱く表示されることがあります。