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花粉コラム(最近の傾向)

花粉の少ない品種への植え替え

「花粉に悩まされるくらいなら、いっそスギやヒノキを切ってしまえばいいのに……」花粉症がつらいとき、このように考える方も多いのではないでしょうか?
確かに、スギやヒノキを切ってしまえば花粉の問題は解決されるかもしれません。ただ、これらの木は、木材資源であると同時に、国土の保全やCO2を吸収する役割を果たしています。
特に、スギは吸収量が最も多い樹種のひとつといわれており、適正な管理保育により、合理的な二酸化炭素吸収策とすることができるのです。
これらをふまえた上で、林野庁では花粉の少ないスギやヒノキの品種作りに力をいれてきました。
平成8年度から平成23年度までに、少花粉スギ135品種、少花粉ヒノキ56品種など、合わせて200近い品種を開発し、徐々に植え替えが進んでいます。
自然を守りながら、花粉症患者にもやさしい品種開発を応援していきたいですね。

花粉飛散量は増加傾向

花粉飛散量は増加傾向

花粉症は現代人の病気と言われますが、実際、近年花粉の量は増加傾向にあります。いったいなぜなのでしょうか?
スギ・ヒノキの人工林は、森林面積の約30%を占めていますが、この面積はほとんど増加していませんので、木が増えているのではありません。実はスギの樹齢に関係があるのです。
通常、スギ花粉が多く生産されるのは樹齢30年以上のものだと言われています。日本におけるスギ・ヒノキの植林は、木材資源の確保などを目的として、昭和20年代から40年代に全国で行われましたが、国産木材利用の低迷などが原因でスギ林の伐採が進まず、花粉を多く出す樹齢の高い木がたくさん育ってしまいました。このような経緯から、スギ花粉の飛散量が増加しているのです。
図はスギの全国齢級別面積を表したもの(元林業科学技術振興所 横山敏孝氏 提供)です。
花粉を多く出す樹齢31年以上の面積は、1990年以降一気に増加し、2007年には8割以上に達しています。また、樹齢41年以上のものは5割以上に急増中です。スギは樹齢約100年まで大量に花粉を出すと言われていますので、少なくともあと50年は、大量のスギ花粉が出続けるということになります。
今後の花粉の飛散量は、花粉の少ないスギ林に変えていく取り組みとともともに、現在成長しているスギを木材としていかに利用できるかにかかっているといえそうです。


地球温暖化と花粉症

花粉の飛散量は、スギやヒノキの樹齢が増していることもあり、近年増加傾向にありますが、これに気象条件の変化が追い打ちをかけているとも考えられています。
花粉の総飛散量は、前年夏の気象条件(主に日射量や気温、降水量)に大きく左右され、“日射量が多く、気温が高いと花粉は多くなり、逆に、雨量が多く、気温が低いと花粉の量が少なくなる”という傾向がわかっています。
例えば、2003年冷夏の翌年、2004年の花粉量はとても少なくなりました。
一方、2004年と2010年の猛暑の翌年は記録的な大飛散に見舞われました。
そして、近年問題になっている地球温暖化(都市化の影響も)に伴い、気温が上昇すれば、それだけ花粉の量も多くなることが考えられるのです。このところ、冷夏の年はグッと少なくなり、猛暑の年が非常に多くなっています。
花粉症の方も、花粉症でない方も、地球温暖化を身近な問題として、一緒に考えていきたいですね。